『ジゼル』2幕の衣裳
2幕の衣裳製作が完了し、美しい衣裳が
到着しました。
ジゼルのお稽古も終盤になりつつあります。
私たちのオーダーは、下記の2点。
○ロマン主義の衣裳スタイルの再現
○精霊ウィリとなったジゼルの
キャラクターと空気感。かつ、ジゼルの
舞踊スタイルを衣裳に融合させる
この2点を現実的に落とし込んだジゼルの
衣裳の製作をお願いするにあたり、1針1針
全身全霊でこだわりを貫いて製作していただけ
るのは、この方しかいないだろうと思い
この度のジゼル2幕の衣裳は、下田先生に
製作を依頼しました。
下記は、下田絢子さん(Les Merveilles)の
衣裳に対するコメントです。
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この度のジゼル第2幕の衣裳は
「ロマンティック時代」の衣裳スタイルを
重要視し、その時代のドレスをチュチュに落とし
込んだシルエットを確実に出すことに挑戦し
「ロマンティック・チュチュの原形の構築」を
テーマに製作しました。
ロマンティック・スタイルのシルエットいうのは
高い位置のウエストから、通常のジャストウエスト
までくびれの位置が下がり、コルセットで細く締め
上げられたウエストが特徴でさらに、そのウエスト
のすぐ下からふくらむ、釣鐘型といわれる
ボリュームスカートが魅力と言えます。
また、この衣裳は白一色であるために
平面的になりがちなので身頃のパターンも人体の
筋肉の流れに沿った立体的な切り替えラインを
採用し美しい陰影が浮かび上がるように
という考えのもと・・・
同時に前中心身頃の切り替えラインには、
ウエストの細さを強調する時代の特徴を
織り交ぜながら、美しいシルエットを
作ることを目標としました。
今回、選ばせていただいたのは
艶消しのようなわずかな光沢感のある素材。
選んだ素材の絶妙な風合いが、陰影の表現に長けており
今回のパターンとの相性が非常に良いと思われました。
ロマンティック時代のドレスには、
タフタ等のシルク素材が主に使用されていますが
今回の生地もシルキーな風合いを持ち、幻想的で
ありながらかすかに当時の雰囲気も
匂わせたつもりです。
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この衣裳が踊り手になじみ、舞台照明と
融合した時に、どのような空気感に
なっていくのか・・・
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